請求書どうする!?初めて請求書を書くフリーランスが知っておきたいこと

こんにちは。2018年の春にそれまで勤務していた会社を退職し、フリーランスのライターとして開業したMAYです。
月末。締切や事務処理に追われる時期で何かと忙しくなってしまいますよね。中でも一番大切なのが請求書を作成し送付すること。その月に自分が働いた分の報酬をきっちり請求しなければなりません!
ママライターとしてメディアと直接やり取りを始めたら、「月末に請求書をお願いします」と言われることがあります。初めて請求書を作成する時は、どんな書類を作ればよいのかと悩んでしまいますよね。会計処理に苦手意識を感じて、なかなか直接契約に踏み出すことが出来ないという方もいるかもしれません。
請求書は一度作ってしまえばその後はとても楽です。同じフォーマットを繰り返し使う事ができるからです。今回は、ママライターなどのフリーランス(法人ではない個人事業主)がクライアントに出す請求書の書き方について、含めたい項目や税金の計算方法などについてまとめたいと思います。
請求書とは?なぜ必要なの?いつ提出すればよいもの?
会社員の場合、何も言わなくてもお給料が自分の口座に振り込まれます。また、フリーランスとして働いていてもクラウドソーシングサイトを利用すると、この手間が省略される場合も多いです。しかし、メディアとの直接契約の場合は、最初に取り決めや契約書を交わしていたとしても、仕事が完了した段階で毎月自分から請求しなければ報酬は振り込まれません。
フリーランスにとって請求書が必要な理由
請求書はまず第一に報酬を受け取るために必要な書類です。その月に自分がこれだけの仕事をしましたと明記し、口座に振り込まれるべき金額をしっかりと計算して提示します。
初めて請求書を発行する時は、「お金をくださいと言っているようで恥ずかしい」と感じるかもしれません。しかし、仕事した人が請求書を発行するのは至って普通のこと。自信を持って堂々と請求しましょう。
請求書は会計処理を正確に行うためにも必要不可欠な書類です。一般的に、仕事を完了して請求書を送付した日から実際に入金が行われる日までは、1か月~2か月くらいの時差があります。フリーランスとなると、色々な仕事を掛け持ちしてたくさんのクライアントと仕事している場合が多いので、口座に入金された金額を見ただけだと、それが何の入金なのかという事はすぐにはわかりません。しかし、請求書をたどっていけばしっかりと確認することができますよね。
クライアント(会社)にとって請求書が必要な理由
仕事を発注したクライアントにとっても請求書はとても大切な書類です。まずは報酬を支払うための社内手続き上必要です。請求書がなければ会社の経理担当者はお金を支払う事ができません。
また、源泉徴収税の納付のためにも請求書に書かれている情報が必要になります。会社組織が個人で業務委託を受けるフリーランスに報酬を支払う場合、一般的には会社が個人の代わりに源泉徴収税を納め、源泉徴収後の金額を振り込む事になっています。
そのために、フリーランスの請求書の項目が重要な役割を果たします。請求書には、フリーランスの個人情報(住所な連絡先)が記載されています。会社はその情報をもとに源泉徴収税を支払い、また年末に源泉徴収票を送ります。
請求書を送付するタイミングは?
会社によって月の締め日は異なります。クライアントにあらかじめ確認の上、締め日の数日前までにはクライアントに届くように発送しましょう。会社によっては、締め日から一日でも過ぎてしまった場合は支払いが翌月に回されてしまうところもありますので気をつけましょう。
締め日が過ぎた後に完了(納品)となった仕事については、翌月の請求書に回します。請求漏れがないように、毎月どの仕事まで請求したかという事をしっかりと記録しておく必要があります。
請求書に必ず含めたい項目
それでは実際に請求書を作成する際に、どんな項目について記載すればよいのかまとめていきます。
請求書の発行日
いつ発行した請求書なのかが分かるように必ず明記しましょう。
請求書番号
請求書の右上辺りに記載します。その年発行する請求書に順番に振っていく通し番号のようなものです。これは絶対に必要というわけではないのですが、後々何かと便利です。例えば、クライアントが請求書を紛失した場合や振り込み忘れがあった場合、請求書番号をたどればすぐに再発行することが可能です。請求書をデータ保存する際に、この番号をファイル名にしても良いですね。
自分(請求者)の情報
氏名、住所、電話番号、振込先の情報などを記載します。
ライターとして仕事をしていると、ペンネームを使っている方も多いでしょうが、請求書の氏名欄には実名を記載します。また、この氏名と振込先の口座名は出来るだけ同じ方が良いでしょう。口座名が屋号となっている場合は、請求者情報の欄にも屋号を記載するとわかりやすいです。
クライアント(請求先)の情報
請求先の会社名と担当者名を記載します。必要に応じて住所や電話番号も記載します。
担当者名というのは、いつもの業務でやり取りしている方の場合が多いですが、事前に「請求書はどなた宛にお送りすればよいでしょうか」と確認しておくというのも良いですね。しっかりと担当者名が入っている請求書は会社内で迷子になりにくいので、支払い漏れなどを防いでくれます。
金額と内訳
報酬金額と、その内訳を明記します。またその仕事が完了した日(納品日)も忘れずに記載しましょう。
内訳はスペースに収まる程度で出来るだけ詳しく書くと親切です。例えば、「〇月分 ライティング 〇本」のようにまとめて書くのではなく、それぞれの納品物に対して「〇〇についてのライティング」と書きます。そうすると具体的にどの作業の事を指しているのか双方にわかりやすいですよね。
全ての金額をリストアップして、税金計算を行った上で、最終的な振込額を明記します。税金の計算方法については、以下で説明します。
振込手数料と支払期限
クライアントが請求額を振り込む際、振込手数料が発生します。一般的には、振込手数料は振り込む側が負担するのが常識ですが、念のため確認しましょう。確認のためにも以下の一文を入れておくと良いですね。
「振込手数料については、ご負担いただきますようお願いいたします。」
また、クライアントの支払いスケジュールを確認の上、支払期限も明記しておくと分かりやすいですね。
備考
請求書について、何か補足事項がある場合は、備考欄に記載します。
税金の計算方法
個人事業主の業種によっては源泉徴収税がかからない仕事もありますが、ライター業の報酬は源泉徴収税の対象となる「原稿料」に当てはまるので源泉徴収されます。クライアントが個人の場合は必要ありませんが、会社の場合は会社側があらかじめ源泉徴収を行い、個人に代わって納付します。
請求書には、報酬額の他に、源泉徴収後の実際の振込額も明記しておくと誤解が生じにくくわかりやすいですね。
源泉徴収税額は、報酬金額により異なります。100万円以下の場合は報酬の10.21%、100万円を超える場合は、超えた部分については20.42%の税率がかかります。こちらのページでは、報酬を入れると自動的に計算してくれるカリキュレーターがあります。
請求書の作成方法、提出方法、保管方法
請求書はエクセルで作成すると計算ミスが少ないのでおすすめです。一般的にダウンロードできるテンプレートもエクセルで作られたものが多いです。
請求書は印刷して押印の上、郵送するのが従来のやり方です。その場合は、郵送する前にメールでデータを担当者に送付し、内容を確認してもらうことをおすすめします。郵送で送った後に、請求内容に誤りが発覚した場合の再郵送の手間を省くためです。
最近では、郵送ではなくメールでの送付を可能としているクライアントも多いです。その場合は、エクセルで作成したデータをPDFに変換して送付します。これは、クライアントの担当者が誤って上書き保存してしまうのを防ぐためです。
クライアントに送付した請求書は必ずコピーを取っておき、一つのファイルにわかりやすいように保管しておきましょう。
おまけ:請求書のフォーマットをダウンロードできるサイト
請求書のフォーマットをダウンロードできるおすすめのサイトです。
請求書作成は最初が肝心!慣れてしまえば簡単!
初めて「請求書を送ってください」と言われたら、どんな内容の書類を作ればよいのか、不安な気持ちになる方もいるかもしれません。しかし、一度やってしまえば後は慣れるだけ。同じフォーマットを繰り返し使う事ができます。最初にしっかりと請求書の基本を押さえて、使いやすい請求書を作ってみましょう。