ライター募集で見かける「キュレーション」とは?意味や仕事内容まとめ

こんにちは。2018年の春にそれまで勤務していた会社を退職し、フリーランスのライターとして開業したMAYです。
ランサーズなどのクラウドソーシングサイトで仕事を探していると「キュレーション」という言葉をよく見かけますよね。キュレーションサイトやキュレーション記事などのようにして使われています。他にも「まとめ(サイト/記事)」という呼び方もあります。今回は、この「キュレーション/まとめ」とはどんなサイトや記事のことを言うのかご紹介するとともに、ライターの視点から、キュレーション記事の書き方やメリット・デメリットについてまとめてみます。
キュレーション/まとめサイトとは?
キュレーション記事とは、「〇〇についてのおすすめ〇選」や「〇〇するための〇つの方法」などのようなタイトルで書かれていることが多いです。それぞれ、〇選や〇つの方法の箇所には数字が入ります。誰もが一度は読んだことがあるタイプの記事だと思います。
インターネットで「キュレーション」について検索してみると、以下のような説明が出てきます。
IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。
出典:コトバンク
その語源となっている言葉は「Curator(キュレーター)」で、美術館や博物館などのコレクションについて作品の収集や展示会の企画などを行う専門性の高い学芸員のことを指すということ。つまり、キュレーションとは、たくさんの情報を、それらの関連性や価値に基づいて選別・判断し、読者にとっても読みやすい構成に組み立てなおす事とも言えますね。
有名なキュレーションサイト
キュレーションサイトとして有名なのは、NAVERまとめやAll About、生活系のキナリノ、グルメ系のmacaroniなど。誰もが一度は検索エンジンで見かけたことのあるサイトではないでしょうか。他にも様々なジャンルやテイストのキュレーションサイトが数多くあります。
たくさんのキュレーションサイトが作られる理由
答えはいたってシンプル。読者に読まれやすいからです。
キュレーション記事を読むと、読者は自分であれこれ調べなくても、あるテーマについて幅広い情報を得る事ができて便利なのです。そういった理由で、キュレーション記事は自然と読まれる回数が増え、検索エンジンでも上位にランクインするようになります。
よく読まれるというのは、その分たくさんの広告収入が見込まれるということ。誰でも広告収入を稼ぐことができるサイトを作りたいと思いますよね。
ライターにとってのキュレーションとは?
サイト数が多いので、募集に出る確率も高いキュレーションの仕事。ライターにとっては一つのライティングジャンルと言っても過言ではありません。
キュレーションサイトの書き方
キュレーションサイトの記事の書き方は、もちろんそのサイトによって様々。マニュアルを設けているところが多いですが、そのマニュアルの内容も千差万別。一概にこうすればうまく書けるという秘策はありません。
しかし共通している点もあります。
- 記事を書く前にインターネットリサーチを綿密に行う
- 参考にしたサイトの内容を要約し、リンクを貼る
- 文字数が多い
- 本文のコピペは厳禁
これらの点がすべてのキュレーション記事に当てはまるわけではありませんが、たくさんのサイトに当てはまる場合が多いです。以下にそれぞれの項目について詳しく解説していきますね。
インターネットリサーチを綿密に
キュレーションサイトのそもそもの目的として「より多くの人に読まれる記事を作る」という点があります。そこで、まずは既存の情報の中から「どんな記事がよく読まれているのか」について事前にリサーチしてから記事内容を構成していくという特徴があります。具体的には、与えられたキーワードを検索エンジンにかけ、上位にランクインした記事を読みこんでから執筆に入るというような手順になります。
参考にしたサイトの内容を要約し、リンクを貼る
キュレーション記事では、膨大な量の情報を簡潔にまとめる必要があります。そこで、参考にした複数のサイトの内容をそれぞれ要約し、分かりやすいように項目をつけたりカテゴリー分けしたりして構成していきます。また、読者がそれ以上詳しく知りたいと感じた時のために、参考元のサイトURLはリンクとして貼りつけておきます。
文字数が多い
読者がその記事を読んだだけである程度の理解を深めるためには、記事自体にしっかりと情報量が含まれている事が必要になりますよね。いかにたくさんの情報を集められるかが鍵になります。しかし、読者が「長すぎてもう読みたくない」と離れて行ってしまうような長さになってもいけません。この辺の塩梅がキュレーション記事を書くライターの腕の見せ所と言えます。
コピペ厳禁、リライトも要注意
ライターとして常に心がけなければいけない事の一つに著作権の保護があります。どんな場合でも著作権の侵害につながるような行為は許されません。キュレーションサイトでは、常にコピペ厳禁の注意勧告がされて、執筆後の記事もコピペチェックツールで確認されてから納品となることが多いです。
コピペしなくてもチェックツールで引っかかる事があります。それはリライトの場合です。様々なサイトの情報を参考に記事をかいていると、無意識にオリジナル記事の内容に似た構成や文体になってしまう場合があります。こういう場合も著作権の侵害と判断されることがありますので、注意が必要です。他のサイトを参考に読む場合は、あくまで参考程度と肝に銘じる事が必要ですね。
※引用する場合は、この限りではありません。
キュレーションサイトで記事を書くメリット
ライターにとってキュレーションサイトを書くメリットは色々あります。
- 完全在宅で仕事ができる
- 構成力がつく
- ある分野についての知識を深める事ができる
- 慣れてしまえば書きやすい
それぞれ具体的に解説していきますね。
完全在宅
インターネット上の情報を元に書くことができるので、自身で取材したり体験したりする必要がありません。ちょっとした隙間時間にコツコツと作業すれば出来る仕事なので、特に子育て中のママライターや副業目的のライターにとってはメリット大ですね。
構成力がつく
膨大な情報の中から有益なものだけを選んでまとめるのには、まず自分で読み込んだ情報を整理し、全体像をイメージすることが必要になります。そういう作業を続けていると、自然と構成力がつきます。構成力は、キュレーション以外の記事を書く場合にも役に立つスキルです。
知識を深める
たくさんの情報を読むので、知識が深まります。自分が興味があったりこれから勉強したいと思っていたりするテーマについてのキュレーション記事を書くと、一気に知識量が豊富になり、実生活でもとても役に立ちます。
慣れてしまえば書きやすい
キュレーション記事を初めて書く時は、色々なサイトを見比べたり読み込んだりして結構時間がかかります。しかし、インターネットリサーチに慣れると短時間で必要な情報を見つけるコツがわかってきます。ライターの得意・不得意やキュレーションサイトのジャンルなどにもよりますが、サクッと書けるようになると「割りの良い」仕事になる場合もあります。
キュレーションサイトで記事を書くデメリット
一方でキュレーションサイトで記事を書くデメリットもあります。
- オリジナリティを出すことができない
- 目が疲れる
- ライターとしての評価につながりにくい
オリジナリティを出すことができない
他サイトの情報を元に書く記事なので、当然ながらライター自身の色はあまり出せません。コツをつかめばサクサクと書ける記事ですが、一方でユニークな価値観で読者を惹きつけたり、一生懸命考えて文章を推敲したりというライティングの醍醐味を求めている方には向いていないでしょう。自分が書いたぞという達成感も少ないと感じる方も多いでしょう。
目が疲れる
基本的にパソコンでの作業が続く上に、色々なサイトを見比べて読み込む必要があるので、目が疲れます。特に、サクサクと作業を進めたい方は、ページをスクロールして飛ばし読みしますよね。あれを続けていると、本当に目が疲れます。
ライターとしての評価
キュレーションサイトでのライティングは、文章力という点では評価されにくいというのも事実です。キュレーション以外の新しい仕事に挑戦したいと思う時に、実績としてキュレーション記事を出してもなかなか評価されない場合があります。
ライティング経験を積む目的でキュレーション記事にチャレンジしてみては?
キュレーション記事について、その特徴や仕事内容、メリットとデメリットなどをまとめてみました。これからキュレーションの仕事に応募しようと思っている方にとっては、デメリットを見てしまうと「どうしようかな」と迷いが生じてしまいますよね。
しかし、他の種類の仕事も並行して受けるなど工夫すればデメリットは最小限におさえることも可能です。在宅で気軽に始めることができ、構成力やリサーチ力が鍛えられるキュレーションの仕事。まずは気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。